丹波焼の魅力タイトル
 
会 期:平成29年(2017年)1月6日(金)~2月19日(日)


会場:展示室B・展示室C・展示室A上・企画展示室・一般展示室示室

主催:姫路市書写の里・美術工芸館、神戸新聞社
後援:サンテレビジョン、ラジオ関西
企画:公益財団法人姫路市文化国際交流財団
       

新春特別展示「丹波焼の魅力」概要
 兵庫県篠山市今田町一帯で現在も焼かれる丹波焼は、平安時代末期にはじまったとされ、瀬戸・常滑・信楽・備前・越前とともに、日本六古窯のひとつとして知られます。当初は穴窯を用いて焼締陶器がつくられた丹波焼は、燃料の松などの灰が、窯の中でやきものに降りかかって生まれた、緑色に発色する自然釉の景色が特徴です。この時代特有の紐積の歪んだ形や、それを整えるためのヘラ跡である猫掻きもユニークです。続く桃山時代末期には、それまでの穴窯から登窯へ変わり、技術的な革新期となって、ろくろ成形がはじまり、灰釉や鉄釉を使うようになります。釉薬を使うことは、丹波焼の大きな転換点といえるでしょう。そして江戸時代にはいると、赤土部が使われるようになります。もとは水漏れ防止だった塗り土が、赤褐色の見事な発色の釉薬として使われました。色絵や、暖かい雰囲気の白地で化粧した上に筒描きや墨流しで装飾を施すなど多様なテクニックを駆使するようになります。
 丹波焼は、日々の暮らしの用具として、壺や甕(かめ)、擂鉢を中心に育まれたやきものですが、独創的な茶陶や賞玩の形も作られて、一房や花遊などの陶工の名も残っています。江戸時代後期には徳利が丹波焼生産の主力となり、実にさまざまな形状や名称の徳利が出揃いました。時代を通じて高められてきた多彩な変化と豊かな魅力が、現代においても慈しまれている丹波焼なのです。
この展覧会では、個人コレクターの所蔵品を中心に近世の施釉陶器を中心に展示し、丹波焼の魅力に迫ります。

展覧会チラシA4両面(PDF形式;755MB)
 展示内容の予定
※変更する場合があります。
■出品点数:117点(個人蔵105、兵庫陶芸美術館10、館蔵品2)
■出品作品の制作年代:桃山時代から江戸時代まで

第1会場(展示室B)・・・中世焼締陶器の魅力と、小壺あれこれ
・自然釉の味わい
・丹波焼の小さな壺たち

第2会場(展示室C)・・・茶陶の魅力
 ・茶人が愛した丹波焼 ― 見立ての水指、個性的な花入など

第3会場(企画展示室)・・・丹波の地で育まれた魅力
・赤土部や灰釉の味わい
・民衆が愛した丹波焼 ― くらしの器たち

第4会場(一般展示室)・・・近世施釉陶器の魅力
 ・栗皮釉、白地や色絵などの味わい
・さまざまな技法と多様な器形 ― 例)徳利あれこれ

主な出品予定作品
自然釉壺
自然釉壺(しぜんゆう つぼ) 室町時代前期 高さ41.8cm 個人蔵
釉薬をかけずに穴窯で高温焼成した焼き締めの壺。窯の中で偶然に降りかかった松の灰がガラス状に溶けて、翡翠色の自然釉となっています。
中世の丹波焼は、紐状の粘土を積み上げて成形し、大きなものは一定の高さになると一度乾燥させてさらに継ぎ足していくので、胴が段になります。口づくりは時代が下ると垂直に立ち上がった形になり、玉縁形へと変化していきますが、室町時代頃までは口頸が外に大きく反っています。

赤土部辣韮徳利
赤土部辣韮徳利(あかどべ らっきょう とっくり) 江戸時代前期‐中期 高さ30.3cm 個人蔵
江戸時代に入ると赤土部(あかどべ)が使われ始めます。これはもともと焼締の水漏れを防ぐための塗り土でしたが、焼成すると朱赤色や褐色、紫がかった赤色などに発色したので、むしろその色を求めて作品の表面に塗られるようになりました。単一色でなく、このように肩の部分のように複雑な色彩を得ることもあります。
やや頸が長く下膨れの形がらっきょうに似ていることから、このように呼ばれます。

赤土部灰釉筒描海老文徳利
赤土部灰釉筒描海老文徳利(あかどべ かいゆう つつがき えびもん とっくり)
江戸時代後期 高さ22.9cm 個人蔵
通称「海老徳利」といわれて愛好される徳利で、全国的にも丹波産は知名度が高いものです。海老は腰がまがっていることから長寿の吉祥文様として親しまれています。そして筒描はイッチン描ともいわれ染織などでも使われる技法で、筒状の竹や柿渋紙にクリーム状の泥を入れて、絞りながら描く技法です。
 この作品は、焦げ茶色に見える鉄絵で海老の胴体を描き、白く盛り上がった筒描でヒゲと脚を表現しています。

 応挙徳利(灰釉鶴文浮徳利)
応挙徳利(灰釉鶴文浮徳利)(おうきょ とっくり/かいゆう つるもん うきとっくり)
江戸時代後期 高さ20.1cm 個人蔵
粒子の細かい土を使った素焼きの上に、日本画の円山派や四条派の雰囲気で写生風に描いた立ち鶴などの徳利を「応挙徳利」と呼び、篠山藩お抱え絵師の下絵という伝承もあるものです。また、浮き徳利というのは、口頸部が短く肩から胴の上部が丸い形状で、燗をする際に具合よく湯の中に浮くので名づけられました。


会期中のイベント
●展示解説会
日時/1月21日(土)、2月4日(土)いずれも14:00~15:00
講師/当館学芸員  場所/展示会場  備考/参加無料(入館券が必要です。)

●講演会「丹波焼の魅力―その歴史と見どころ―」
日時/2月11日(土祝)14:00~15:30
講師/梶山博史氏(兵庫陶芸美術館学芸員)会場/当館会議室 定員/当日先着50名
備考/展示観覧には入館券が必要です。

 
姫路市書写の里・美術工芸館
〒671-2201 姫路市書写1223番地[ 地図 ]
電話 079-267-0301 ファックス 079-267-0304

観覧料
 一般 300円 大学・高校生 200円 中学・小学生 50円、※20人以上の団体は2割引です。

休館日
 毎週月曜日(1/9月祝は開館)、1/10(火)
開館時間
 午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
交通
 姫路駅より神姫バス「書写山ロープウェイ」行きで終点下車、徒歩3分


もどる