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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第85話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第85話~おもちってどうしてのびるの?の巻~

おもちってどうしてのびるの?の巻

バッタ博士のミニ知識【アミロースとアミロペクチン】

 アミロースとアミロペクチンはどちらもデンプンの仲間です。デンプンは炭水化物(多糖類)で、炭水化物という名前の通り炭素と水(水素と酸素)が結合したような高分子化合物であり、グリコシド結合と呼ばれる脱水縮合の共有結合(水分子が脱離する形で原子の電子が共有される結合)で形成されています。

 同じデンプンの仲間のアミロースとアミロペクチンですが、その性質は分子構造の違いによって少し異なります。アミロースは直鎖状の分子構造で分子量が比較的少ないのに対し、アミロペクチンは枝分かれの多い分子構造で分子量が比較的多くなっています。そのため、アミロースよりもアミロペクチンの方が粘りやすく、アミロースは熱水に溶けますがアミロペクチンは溶けにくい性質をもっています。

 こうした分子構造の違いがお米の「もち米」と「うるち米」の違いに現れています。「もち米」のデンプンのほぼ全てがアミロペクチンであるのに対して、「うるち米」では8割程度となり残りの2割がアミロースです。アミロペクチンの「もち米」は粘りがあって付き固めるとアミロペクチンの枝と枝とが絡み合い粘りが増して餅になります。アミロースの含まれる「うるち米」では適度な粘りで白米のご飯になります。

 分子構造の違いによるデンプンの性質の違いを、餅つきという年中行事で美味しい食品に仕上げる、先人達の知恵は素晴らしいものがありますね。