地震の基礎を学び、忘れなくてもやってくる地震にどう対処したらいいのかを考えてみましょう。

■2002年2月23日(土)〜4月7日(日)■1階特別展示室 ■有料(常設展示またはプラネタリウムの観覧券が必要)

資料提供者:(五十音順、敬称略)

【団体】鹿島建設(株)、城崎町、(株)京都科学、神戸市埋蔵文化財センター、地震断層観察館(岐阜県根尾村)、(株)日本実業出版社、根尾村教育委員会、姫路市消防局、姫路測候所、兵庫県企画管理部防災局、兵庫県立人と自然の博物館、(株)藤井ポンプ製作所、北淡町教育委員会、毎日新聞大阪本社、丸善(株)、明星電気(株)、安富町、山崎町防災センター
【個人】岡田篤正(京都大学教授)、加藤茂弘(兵庫県立人と自然の博物館)、安田雅子(姫路市在住)

講演会

■演題:「播磨の地震と山崎断層」
■日時:2月24日(日) 10:00〜12:00
■会場:姫路科学館4階講義室
■講師:渡辺邦彦さん(京都大学防災研究所 助教授)
■料金:講演会のみ無料
■申し込み:不要

主な展示内容

歴史的な大地震・・・貴重な鯰絵や根尾谷断層の写真などを展示します。
●鯰絵・・・・・「鯰絵」は江戸時代の錦絵で、1854年の安政地震後に多数描かれました。その内容は、「地震は鯰が起こす」という考え、地震の被害状況、そして、震災復旧に対する風刺などです。なお、当時は幕府の取締りが厳しく、絵師や版元の記録は残っていません。
 このコーナーでは、鯰絵などの貴重な資料を多数ご覧いただけます。

【展示資料】
・鯰絵(提供:北淡町教育委員会)
・錦絵、和本(提供:加藤茂弘 兵庫県立人と自然の博物館研究員)

濃尾地震の断層

●濃尾地震・・・濃尾地震は1891年10月28日に発生したマグニチュード8.0の巨大地震です。内陸部で発生した地震としては国内最大規模で、長さ80キロメートルにわたって地表に断層が現れました(根尾谷断層)。岐阜県根尾村水鳥(みどり)地区では、水平方向に4メートル、上下に6メートルのずれを生じました。
 根尾谷断層は、地震と断層の関係を明らかにしたことで、地震学に大きく貢献しました。いまでは断層上に保存館が建設されており、トレンチで断層の様子を観察することができます。

写真:濃尾地震の震源となった根尾谷断層(提供:地震断層観察館)

【展示資料】
・根尾谷断層の記録写真(提供:根尾村教育委員会)
・根尾谷断層のトレンチ写真(協力:根尾谷断層保存館)

地震のメカニズム・・・地震を科学のメスで解きあかします。

地震波の波形

●地震の観測・・・姫路科学館では、気象庁59B式電磁地震計で、毎日地震観測をしています。上の図は、姫路科学館で記録した地震です(2001年8月25日、震源:京都府南部)。PはP波(Primary Wave)、SはS波(Secondary Wave)を表します。このような記録をたくさん集めると、地球内部の姿をうかがうこともできます。
 このコーナーでは、以下の内容をもとに地震発生のメカニズムを解説します。


・地球の内部構造
・プレートテクトニクス
・日本周辺の地震
・地震と活断層
・地震波

山崎断層と兵庫県内の地震・・・これからも地震は起こります。

山崎断層

山崎断層・・・・山崎断層は1968年に確認された活断層です。断層の種類は地盤が断層をはさんで左にずれる「左横ずれ断層」です。
 写真の範囲では、断層上を中国自動車道が走っています。中国自動車道ができる前は、右側の山から左にのびる尾根が、断層で左(写真では下側)にずれているのがはっきり見えましたが、現在は、ずれた部分の尾根が削られています。山崎断層のずれの量は1年あたり約0.5ミリメートルで、活動度はB級にランクされています。
 「山崎断層」は6つの断層で構成されているので、ひとまとめにして山崎断層系といいます。西側から順に以下の断層が並んでいます。

・大原断層(佐用断層):昭和36年(1961年)にマグニチュード5.9の地震を起こしました。
・土万(ひじま)断層
・安富(やすとみ)断層:トレンチ調査から、868年の大地震の証拠が発見されました。
・琵琶甲(びわこう)断層
・三木断層
・暮坂峠断層(護持断層):山崎町で安富断層から別れて南東に向かってのびる断層です。昭和59年(1984年)にマグニチュード5.6の地震を起こしました。

写真:山崎断層系安富断層(提供:岡田篤正 京都大学教授)

断層の写真

地震の証拠・・・歴史に記された地震を確かめるには、断層のトレンチ調査や遺跡の発掘で地下に残された異変の跡を探す必要があります。
 左の写真は、山崎断層系琵琶甲断層のトレンチ調査で採集された「はぎとり標本」です。写真中央下の垂直な線が地中に隠れていた断層です。断層が活動した後に表土が堆積したため、断層のずれが地表に見えてなかったのです。
 このコーナーでは、断層や噴砂の「はぎとり標本」で、地震の爪痕の実物を観察できます。

写真:琵琶甲断層のはぎとり標本(協力:兵庫県企画管理部防災局)

【展示資料】
・山崎断層系琵琶甲断層トレンチ調査のはぎとり標本(提供:兵庫県企画管理部防災局)
・神戸市東灘区住吉宮町遺跡から出土した慶長伏見地震(1596年)の噴砂跡のはぎとり標本(提供:神戸市埋蔵文化財センター)


●兵庫県を襲った地震・・・兵庫県に被害をもたらすのは、兵庫県南部地震や山崎断層地震だけではありません。古文書には、播磨の国に大きな被害をもたらした868年の地震が記録されていますし、大正14年(1925年)に兵庫県北部を襲った「北但馬地震」は、城崎や豊岡に壊滅的な被害をもたらしました。
 このコーナーでは、過去の資料をもとに、兵庫県の地震活動を紹介します。

【展示資料】
・北但馬地震関係の当時の新聞や記録写真など(提供:城崎町)

防災・・・忘れなくてもやってくる地震に備えて。

●地震の揺れを軽減する・・地震の揺れによって、建物に被害が出る場合があります。現在では、主に3つの方法で、地震の揺れから建物を守れるようになってきました。

・耐震:建物を補強して、揺れに対して強い構造にすることです。
・免震:基礎と柱の間にゴムをはさむなどして、揺れを伝えにくくすることです。
・制震:おもりなどを使って建物の揺れと逆の揺れを起こし、揺れを打ち消すことです。

 このコーナーでは、建物の揺れ方、免震構造や制震構造のしくみなどを模型で体験できます。

【展示資料】
・免震構造および制震構造の模型(提供:鹿島建設(株))

地震に備えよう

●災害に備えて・・・・・・姫路市では、防災倉庫の設置、防災マップの作成などを通じて、災害に備えています。しかし、安全な場所に避難して援助を受けるまでは、各家庭で災害に備えなくてはいけません。
 各家庭で避難場所や連絡方法を確認するなどのほか、非常持出し袋を用意しましょう。袋の中身の最低限は次のような感じでしょうか。

・水と非常食料
・常備薬、救急用品、衛生用品
・保険証、現金などの貴重品
・照明用具と予備の電池
・衣類
・道具類
・携帯ラジオ(FM付き))
※なぜFM付き?・・・姫路市では、平成13年8月からコミュニティFM放送局(Himeji City FM 21: FM Genki, 79.3 MHz)を通じて、災害情報や姫路市災害対策本部からの情報を、リアルタイムで市民のみなさんに提供できる体制を整えています。

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2009年4月16日更新