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天体写真と観測報告「金星の満ち欠け(2010年)」

 2010年は夏休みの夕方の空に金星が見えていて、自分の目や望遠鏡で見た、という方もいるかもしれません。
姫路科学館ではお昼の観望会の時間を使って、夏休みから11月まで金星の様子を撮影してみました。

 2011年は夜明け前の「明けの明星」として見えるので、早起きの方は明け方の東の空に注目です。
 また、12月7日には日本が打ち上げた金星探査機「あかつき」が金星に到着して、その後いろいろな観測を行う予定なので、ますます注目度アップです。

金星の見え方(肉眼編)

 金星の軌道は地球よりも太陽に近いので、ある角度以上は太陽から離れることができません。そのため、「宵(よい)の明星」として太陽が沈んでしばらくの間か、「明けの明星」として夜明け前に見ることができます。
 金星は約7ヶ月で太陽の周りを1周しますが、地球も1年間で太陽の周りを回っているので、宵の明星(約8ヶ月)→太陽のそばで見えない(約1ヶ月)→明けの明星(約8ヶ月)→太陽のそばで見えない(約1ヶ月)→宵の明星…と移り変わっていきます。

金星の見え方(望遠鏡編)

 望遠鏡で金星を見ると、月のように満ち欠けして見えます。
 金星が太陽と地球の間に入り込む時(「内合(ないごう)」といいます)は、新月と同じように金星の影の方が地球に向くので見えません。反対に、太陽の向こう側にある時(「外合(がいごう)」といいます)は、太陽の光が全面に当たって「満金星」になります。(実際は、内合と外合の時期は太陽の方向に金星があるので、望遠鏡を向けるのは危険です)
 外合と内合の間では、日によって月の様に形が変わって見えます。でも、月とちがって地球と金星の間の距離が変わるので、写真を撮った外合から内合に向かう時期(宵の明星)は、細くなりながら大きく見えるようになります。

 2010年は10月28日が内合だったので、7月から比べると、どんどん大きくなって行くのがわかります。

2010年の金星の様子

写真は、姫路科学館90cm反射望遠鏡直焦点(焦点距離14,000mm)+ペンタックスK100D Photoshopで向きと露出を補正しています

2010年7月19日の金星 2010年7月24日の金星 2010年8月6日の金星
7月19日 7月24日 8月6日
2010年8月16日の金星 2010年8月21日の金星 2010年9月1日の金星
8月16日 8月21日 9月1日
2010年9月4日の金星 2010年9月21日の金星 2010年9月25日の金星
9月4日 9月21日 9月25日
2010年10月2日の金星 2010年10月7日の金星 2010年10月11日の金星
10月2日 10月7日 10月11日
2010年10月17日の金星 2010年10月26日の金星 2010年11月4日の金星
10月17日(内合11日前) 10月26日(内合2日前) 11月4日(内合から7日後)